野生生物学者のマーティン・ローランドさんは最近、コウモリの保護プロジェクトに取り組むため、ノシ・ハラと呼ばれるマダガスカル沖の小さな小島を訪れた。コウモリの研究が目的だったのだが、彼はブルックシア・マイクラと呼ばれる世界最小レベルの爬虫類と出会い、その魅力にハマってしまった。
ブルックシア・マイクラはカメレオンの一種で、体長は1インチにも満たない。この種を見ることができるのは、全世界でもマダガスカルのノシ・ハラのわずか2平方キロメートル。
生息地が極端に狭いため、ブルックシア・マイクラは「島嶼矮小症」の例として知られている。島嶼矮小症とは、大きな動物が島のような小さな環境に限定されると、より小さな体格に進化するという生物学的現象である。
ローランドさんは、ブルックシア・マイクラの存在を知っており、ノシ・ハラでしか見られないのだから滞在中にひと目見たいと思い、研究グループの仲間と島の岩だらけの乾燥した地形をくまなく歩き回った。
「ブルックシア・マイクラを見つけるために、私たちは3キロのトレイルを登ったり下ったり、トレイルから外れて落ち葉や低木の中を探しました。彼らは虫よりも小さいので想像以上に見つけるのは大変でした」とローランドさんは語る。
旅の5日目、そして最終日になっても、1匹も見つけることができなかった。しかしローランドさんは他の研究グループとともに朝から探し続け、ついに木の根元にぶら下がっている1匹を発見した。
「人生で最高の瞬間でした。彼を手のひらに乗せて、ずっと見つめていましたね」
ローランドさんはブルックシア・マイクラの実物を手にとってみて初めて、それがどれほどデリケートなものなのかを知った。
「まるで赤ん坊を抱いているようで、落とさないようにしなければというプレッシャーを感じました。あまりに小さくて、私の手のしわに引っかかって360度転がってました」とローランドさんは笑う。
その小さな友人と奇跡的に出会い、すぐに別れを告げなければならなかったが、こんなにも小さくて愛らしいトカゲに出会えたことは、彼にとって一生の宝物になっただろう。
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