19日付の地元紙『グリーンベイ・プレス・ガゼット』によると、このニュースの主役は米ウィスコンシン州スタージョンベイ在住のエイミー・ユングさんと、愛猫「プリン」。
今月頭、息子のイーサンくんとふたりで地元の動物愛護センターに遊びに行ったときは、「猫を迎える気などさらさらなかった」とエイミーさんは言う。ところがプリンを見たとたん、家族に迎えることを即決。プリンと彼の相棒「ウィムジー」の2匹を連れ帰ることにした。
「家に帰って部屋に放したら、プリンはあっという間になじんでいたわ。本当に一瞬で」とその日のことをエイミーさんは思い出すが、彼女が九死に一生を得たのは、それからほんの数時間後のことだ。
エイミーさんが午後9時半ごろに就寝してから約1時間半後、プリンが彼女の胸のうえに乗り、必死に起こそうとし始めた。4歳から糖尿病を患っているエイミーさんはまさにそのとき、発作を起こしていたのだ。
そのまま昏睡状態が続けば命を落としかねないことを察知したのか、プリンは胸に乗るだけでは彼女の意識が戻らないことを理解すると、今度は顔をはたいたり鼻をかんだりしはじめたという。
プリンの懸命の努力によりかろうじて意識を取り戻したエイミーさんは、即イーサンくんに助けを求めたが、就寝中の彼がその呼びかけに応えなかったため、プリンはイーサンくんの部屋に急行。
ベッドに勢いよく飛び乗ることでイーサンくんを叩き起こすことに成功し、無事エイミーさんの危機を知らせることができたのだった。
イーサンくんは「プリンが起こしてくれなかったら、(エイミーさんの異変に)まったく気づかなかった」と語っており、エイミーさんも「プリンが起こしてくれなかったら、私は今頃この世にいないわ」と振り返る。
驚いたことに、この体験は単なる偶然ではないようで、その後もエイミーさんの血糖値が下がるたびに、プリンは彼女の足元に座り、鳴いて知らせるのだとか。どうやら彼には、糖尿病にかかるさまざまな体調の変化を察知する特殊能力が備わっているようだ。
初めてプリンを見たとき、21ポンド(約9.5キロ)もある巨漢猫ということ以外は特別変わった印象はなかったとエイミーさんは語るが、「今はもう彼なしの生活は送れない」と、プリンを正式なセラピー猫として申請する予定だとしている。
最初の飼い主はアレルギー発症を理由に手放し、ふたりめの飼い主とは死別と、2度にわたりセンターに出戻るという悲しい過去を持つプリン。3度にしてようやく居心地のいい住処を手に入れた彼は、きっとこれから先もずっと、エイミーさんを見守り続けるのだろう。
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助けた猫に助けられ 糖尿病の発作を察知する猫「プリン」 米国
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