気象情報専門ケーブル局「ウェザー・チャンネル」をはじめとするメディア各社によると、被害にあったのは同州ワシントン在住のジョナサン・バイラー・ダンさん一家と、愛犬の「マギー」。
竜巻が自宅を襲ったとき、バイラー・ダンさんと妻、4人の子供たちは地下の避難所に逃げ込んで無事だったが、怯えたマギーはどうしても自分の小屋から出ようとせず、竜巻が迫りくるなか、泣く泣く彼女を部屋に残す決断をせざるを得なかったという。
嵐が去り、一家が地上に出てきたときには家は跡形もなく大破し、マギーの姿はなくなっていた。彼女は死んだものと、誰もが思っていた。
ところがおよそ30時間後、家の跡地を捜索していたとき、足元から微かな犬の鳴き声が聞こえた。すぐさまガレキを掘り起こしてみると、なかからカーペットに包まったマギーが見つかった。
壁の一部と思しき大きな板を男性たちが取り除くシーンや、ホコリまみれで横たわるマギーの姿など、「ウェザー・チャンネル」電子版が掲載した、この救出劇の様子をとらえた一連の写真を見ると、竜巻のすさまじさが推測できる。
さらに、彼女を包んでいたカーペットは、マギーがいた部屋とは別の部屋に敷かれていたものだというから、竜巻がいかに家のなかを滅茶苦茶にしたかがわかるだろう。そのような状況のなかを生き延びたのは、まさに奇跡だ。
命に別状はないものの、ブルブルと震えケガを負っている様子のマギーは、地元の動物クリニックに運ばれ、診断の結果、股関節を脱臼していることがわかった。
バイラー・ダンさんは自身のFacebookページに、救出後のマギーの写真と、彼女がケガを負っていることを掲載したのだが、それを見たユーザーがぜひ力になりたいと、彼女の治療費を負担することを申し出た。結果、実際の治療費を上まわる額の寄付金が集まり、残りは同クリニックで治療中のほかの動物たちや、被害の大きかったエリアの動物シェルターのために使われることが決まったそうだ。
マギーが生後4ヶ月のときから、11年連れ添ったというバイラー・ダンさん一家。無事再会を果たした彼らのニュースは感動的だが、この竜巻により、大切なペットとはぐれてしまったオーナーは他にも大勢いるという。その人々と愛犬、愛猫たちが、マギーたちと同じように無事再会できることを祈りたい。
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