同省では昨年11月に「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」を立ち上げ、犬・猫の殺処分を減らし、最終的にゼロにすることを目指すための具体的な対策について、現在活動を行っている個人や関連団体などと協議を重ね、検討を行ってきた。
その結果をまとめた今回のアクションプランでは、国や自治体などの行政だけでなく、一般の飼い主やペットショップなどの事業者、ボランティアやNPOと幅広く連携し、年間約21万頭にのぼる動物愛護センターや保健所に引き取られる犬・猫の頭数を減らすことで、最終的に殺処分数ゼロを実現することを目指す。
「飼い主・国民の意識向上」「引き取り数の削減」「返還と適正譲渡の推進」を3本柱に掲げた取り組みでは、ペットオーナーや子供たちへの適正飼育に関する教育の強化から、自治体を超えた広域譲渡の推進まで、幅広く活動が展開するが、なかでも、現在殺処分されている動物の大部分を占める猫に関しては、室内飼育、避妊・去勢手術の徹底や地域猫対策の推進など、特に重点的に取り組んでいく印象だ。
同省は自治体により抱えている問題点が異なることに着目し、今後は全国からモデル地域を複数選定し、各地域ごとに設定した課題に取り組むモデル事業を展開するとしている。
また、その活動と併行して、先の動物愛護管理法改正に際しての議論でも議題として取り上げられていたマイクロチップ装着の義務化や、ドイツのティアハイムなどを参考にした大規模シェルターの設置など、さまざまな懸案事項を検討する。
関連URL: 環境省 「人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクト」