「デイリーミラー(電子版)」によると、黒猫に救われた女性は、イギリス中部マンチェスターの北にあるコーンホルム村に住むジャネット・ローリンソンさん(48歳)。彼女の家には、「スリンキー・マリンキ」と名付けられた2歳になる精悍なオスの黒猫がいた。スリンキーは気ままな性格で、とくにジャネットさんになつくでもなく、二人は同じ家をシェアしているような関係だったという。
ある日、背中の痛みを和らげるための薬を飲んだジャネットさんは、薬の副作用で意識不明に陥ってしまった。そして、そのまま5日間も誰にも見つけてもらえずに命の危機が迫ったとき、スリンキーが今まで見せたことのない行動にでたのだった。
スリンキーは外に出てフェンスに上り、隣家の窓を前足で叩きだした。しかしそれだけでは隣家の住人の注意を引けないと考えたのか、次にスリンキーは隣家で飼われている犬をあおって吠えさせた。そこでスリンキーに気づいた隣人は、そういえばここ数日、ジャネットさんの姿を見かけていないことを思い出し、彼女の家を訪れ、倒れているジャネットさんを発見した。隣人夫妻は最初ジャネットさんが亡くなっていると思ったが、彼女は救急車で病院に運ばれ、無事一命を取り留めた。
ジャネットさんが退院して自宅に戻った後、スリンキーに変化がみられるようになったという。今でも自由気ままな性格は変わらないが、定期的に家に戻ってはジャネットさんの姿を確認し、また彼女がスリンキーに注意を払わないでいると、自分に注意が向くまで手や足を叩いたりするようになったという。
最近、12週の2頭の子猫を保護したジャネットさん。スリンキーはとても優しい紳士的なおじさんのように子猫に接すると話す。だが、「彼は自分のスペースを大切にするし、彼はとても食欲旺盛なハンターで、生きたマウスだけでなく、鳥やウサギを家に持ち帰ります」と、野生的な本質は変わっていないと語った。
それまで、ごく一般的な2歳の黒猫にすぎなかったスリンキーは、同居人の命を救ったことで、「the Cats Protection charity's National Cat Awards」にノミネートされた。
関連URL: 「デイリー・ミラー」掲載記事(英語版)