アメリカの人気SNS「Reddit」で、ユーザーであるタイラー・マーヴェッツは、ある猫の写真を投稿した。ミロという名前の猫で、片目がなく、耳は後ろに反り返っている。
ミロが暮らすのは「Furball Farm Cat Sanctuary(ファーボール・ファーム・キャット・サンクチュアリー)」で、誰も欲しがらない猫の保護施設である。
この保護施設を作ったのはタイラーの母親であるジュリー。もともと獣医の助手として働いていた。障害がある猫や、家でお漏らしをする猫、人間嫌いの猫など、捨てられて誰からももらわれない猫たちの命を救い、居場所を作ってあげたいという思いで始め、現在数十匹の猫たちがこの施設で暮らしている。
「私たちはこの子たちを『ワル猫ちゃん』っていう愛称で呼んでいるの。粗相をするから毎日掃除ばかりしているわ。それでも猫たちのことが大好きよ」とジュリーは言う。
「私の家族はオピオイド中毒(痛み止めの薬の過剰摂取)で苦しんできたの。神から与えられた試練だと思って頑張ってきたけど、本当に辛かった。そして神から『あなたは家族を救えないかもしれないけど、この猫たちは助けられる』と言われたの。」
非営利で猫のために尽くすジュリーの献身な姿と、その背景にある想いに多くのRedditのユーザーが胸を打たれ、感謝と応援のコメントが嵐のように届いた。
それに対しジュリーは「私だけのこととして捉えないでほしいの。施設を作ったのは私だけど、この施設にいる35人のボランティアの人たちのおかげで私の夢が実現し、続けられているの」と謙遜的な返答をしている。
そんなジュリーと猫たちをサポートしたいというユーザー達の声が高まり、ミロ写真の投稿からわずか24時間で4000ドル以上の寄付が集まった。
公表はしていなかったが、ジュリーは保護施設の運営資金が不足しており、さらにコロナパンデミックによってジュリーの夫が経営しているレストランも休業を余儀なくされ、経済的に苦しい状況にあった。
「朝起きたらペイパルの口座に3500ドルが入っていてビックリしたわよ!ガレージではなくてちゃんとした建物を作って猫たちを世話したいと思っていたから、その夢が叶うのが本当に嬉しいわ」と、ジュリーはユーザーからのサプライズギフトに喜び、夢の実現へまた一歩踏み出そうとしている。
関連URL: Meet Furball Farm Cat Sanctuary, A Place Where Every Unwanted Cat Gets Love