人間の10倍以上も大きい動物は一体どうやって手術を受けるのか想像したことがあるだろうか?
マイアミ動物園で暮らすキリンのポンゴは、11歳のオスで体長5メートル、体重は900キロ。ポンゴは足に異常が起こり、痛みをかばうように不安定な歩行をするようになった。そのままではケガや病気のリスクが高まると判断したスタッフと獣医たちは、9月に大がかりな検査と手術を行った。
まずポンゴが暴れないよう全身麻酔で眠らせ、足のレントゲンを撮り、血液と皮膚の細胞検査をした。その間にほかの獣医はポンゴの足のひづめを削って形を整える作業を行った。
長くて重い首を倒したままでは血流が悪くなるため、長い板にポンゴの首を置いて持ち上げた状態にキープし、さらにほかのスタッフが絶えず首をさすってマッサージをした。
レントゲン検査の結果、ポンゴの左の足先の後部にヒビが入っているのが見つかった。不安定な歩行で骨折を悪化させないため、医療チームは特殊な研磨紙を使ってポンゴのひづめを削り、形を整えた。そして特殊なゴムでできたシューズをひづめの裏側に貼り付けた。こうした処置によって、骨折のリハビリをし、ひづめのせいで足にかかる負担を減らそうと試みた。
ポンゴの手術に獣医や専門家は総勢20名以上で、全員がそれぞれの役割を全うしたおかげで、命の危険が伴う手術を無事に終わらせることができた。
麻酔から目が覚めたポンゴは何が起こったのか分からず、しばらくぼんやりとしていたが、40分が経ってようやくゆっくりと立ち上がり歩き始めた。その歩き方は手術前よりもスムーズで、手術は成功したと医療チームは胸を撫で下ろした。
診断や手術法を間違えたら症状が悪化するかもしれないリスクがあったが、幸運にもすべての手順が順調に進んだ。ポンゴはこれからずっとシューズを履き続ける予定だ。
キリンの寿命は18〜22年で、ポンゴは人生の折り返し地点で大きな手術を体験した。多くの人に支えられながら、残りの人生を軽やかに歩んでいってほしい。
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