愛犬におやつの骨を与えると、しばらく噛んだあとに庭に穴を掘って埋めたり、家の中の決まった場所に隠すことがある。犬はどうしてそんなことをするだろうか？
その答えを出す前に、そもそも犬はなぜ骨が好きなのか。肉がついていない骨を噛みたがる理由を明らかにしたい。
犬が骨を好む理由はいくつかあるが、多くの場合は精神的な刺激を求めて骨を噛んでいる。そして、噛むことで歯の歯垢がきれいになる、アゴの良い運動になると言った副次的なメリットも得ている。犬は本能的に何かを噛む習性があり、骨がなければ他に噛めるものを探して欲求を満たそうとするのだ。
人間が運動をすると脳でエンドルフィンという幸せを感じる神経伝達物質が作られるのと同様に、犬も噛むことでエンドルフィンが分泌されて気持ちが癒され、ストレス軽減やうつ病の防止にもつながる。
本題に戻るが、犬が骨を埋めたがる理由は、彼らの先祖の食生活に深く関わりがある。野生で生きていた犬は毎日食べ物を得られるわけではなかったため、ほかの動物に取られないように余った食べ物を隠していた。その習性は本能として現代の犬にも受け継がれており、大事な骨をほかの犬に取られたり、飼い主に捨てられたりしないように隠しているのだろう。
また、骨を土の中に埋めると美味しくなるという驚きの事実もある。骨は時間が経つにつれて土中の養分や酵素を吸収して味も変わっていく。そうやって昔から犬は体に必要な栄養を摂取していたのかもしれない。
愛犬の身心の健康のために骨を与えるべきだというのは言うまでもない。しかし、どんな骨を与えたら良いのか迷っていたら、まず気をつけるのは本物の肉の骨を与えないことだ。ローストチキンの骨などをあげたくなるかもしれないが、そうした骨には栄養はほとんど残っておらず、消化不良や誤飲による窒息の危険もある。
やはり市販の犬用の骨を与えるのが一番だが、どの商品が適しているかは犬によって異なる。犬はそれぞれ好みが違うため、好きな味や固さ、形が見つかるまでさまざまなタイプを試してみるほかない。お気に入りのブーツをぐちゃぐちゃに噛まれる前に、愛犬にぴったりの骨を見つけてあげよう。
