記事の写真を見て驚かずにはいられない。
広い施設の床にブルーシートが敷かれ、大小さまざまな海ガメが床一面を埋め尽くしている。なんとも異様な光景だ。
2週間ほど前からテキサスを大寒波が襲い、停電や氷点下による断水で多くの人々が孤立し苦しい状況にある。異常な寒さに動物たちもうまく適応できず、なかでも南テキサスに生息する海ガメたちは氷点下の水の中では動くことができず、ショック死や飢餓、捕食といった危険に晒されている。
海ガメ保護団体の「Sea Turtle, Inc.」は先週、寒さで凍えている4000匹以上の海ガメを保護し、市民ボランティアの協力を借りてカメを車に乗せ、保護施設へと運んでいる。多くの寄付が団体に寄せられ、美しい野生の海ガメを助けたいという気持ちが高まっている。
しかし、そんな最中に保護施設も停電。「施設内や海ガメの水を電気で温められないとこれまで海ガメ救済は無駄となってしまう」とSea Turtle, Inc.の代表が懸念を示していた。
するとその翌日に、宇宙開発で有名なイーロン・マスクのスペースXが大型発電機を寄付してくれ、最悪の事態を免れることができた。
とはいえ日に日に保護され運ばれてくる海ガメの数は増え、現在使っている施設では容量オーバーになりつつある。別の施設の使用も考えているが、水や電気が滞っているようで受け入れの準備が整っていない。早くライフラインが復旧し、保護したすべての海ガメの世話ができるよう祈るしかない。
普段は真冬でもほとんど雪の降らないテキサスが、今年は異常な寒波に見舞われ、海の生き物はもちろん陸の生き物も苦しんでいる。家畜を飼っている人は動物たちを家の中に移動して命を守ろうしているようだ。1日も早くテキサスに春が訪れて、人々や動物たちが安心して暮らせるようになってほしい。
関連URL: Thousands of 'Cold-Stunned' Turtles Rescued from Freezing Texas Waters as State Battles Winter Storm