アメリカでは2月から人間以外の動物が試験的にコロナウイルスワクチンを接種している。第一弾として、サンディエゴ動物園に住む4匹のオラウータンと5匹のボノボ(別名ピグミーチンパンジー)が動物用のワクチンを2回打ったと公表された。
そのワクチンはもともと犬猫用に開発されたもので、犬と猫でテスト済みではあるが霊長類での試験は行われていなかった。
副作用などのリスクを承知で接種に踏み切った背景として、サンディエゴサファリパークのゴリラ8匹の集団感染があった。霊長類がコロナ感染した世界初のケースとして懸念が広がっていただけに、動物園は一刻も早く霊長類のワクチン接種を求めていた。
ワクチン接種をした9匹は副作用もなく健康に過ごしているという。まもなく抗体検査を行い、ワクチンが実際に効いているかを確認する。
動物園は残った3回分のワクチンを他の2匹のボノボと感染しなかったゴリラ1匹に投与する予定だ。
ワクチンを開発したZoetis社の副社長は、「投与したワクチンが霊長類に効果があるかどうかはまだわからない。猫と犬での実験でははっきりと免疫反応が見られたが、さらなる研究が必要である。改良を重ね、いずれは一般の犬猫も接種ができるようにと考えている」と述べている。
関連URL: Great Apes at San Diego Zoo Receive Experimental COVID-19 Vaccine Made for Animals