
今年は午(うま)年。新年の幕開けである1月には馬にまつわる話題が多いが、日本から遠く離れたスペインから馬のニュースが届いた。
マドリードから約100キロ 離れた、人口 500 人の小さな村「サン・バルトロメ・デ・ピナレス」では、何世紀も続く「ラス・ルミナリアス」とよばれる伝統行事がある。その行事では、騎手たちが馬の背に乗り、勢いよく燃えさかる焚き火のなか駆け抜けていく。
サーカスのライオンがやる火の輪くぐりのようだが、これはその年の動物を浄化すると信じられている儀式で毎年1月に行われる。
家畜の守護聖人である聖アントニオ・アボットを称えるために始まったようで、参加者であるアントニオ・パトリシオさん(62)は「昔は、農業に使われる馬やロバを病気から守り、畑で働き続けられるよう癒す手段として、枝や煙が動物を浄化し祝福すると信じられていたから行われていた」と語る。
祭りは金曜日の日暮れ頃に始まり、巨大な木の枝の山が道路脇に積み上げられた。すると地元の人々がワインやビール、お菓子を持ち寄って続々と集まってきた。そして夜、積み上げられた枝に火が灯され、動物たちが飛び越えたり迂回をして人々を楽しませた。
動物保護団体は長年ラス・ルミナリアスを批判してきたが、地元住民によれば馬が負傷することはまずないという。
ラス・ルミナリアスの開始数時間前、騎手たちは馬の尾を耐火テープで巻き、たてがみを編み込む。炎を飛び越える際に燃えないよう、たてがみにコーティング剤を塗る者もいれば、たてがみをきつく編み込み、テープで巻いた尾にピンクや赤のリボンを結び、馬を美しく飾る者もいる。
翌朝、聖アントニオの日にはスペイン各地で、飼い主がペットを教会に連れていき聖水をかける。この儀式的な祝福は、動物に1年の健康と守護をもたらすと信じられている。
サン・バルトロメやその他多くの中央スペインの村や町では、かつて家畜飼育と農業がおもな生業であったが、今ではそうした産業も衰退しつつある。
人口減少が進むスペインの田舎では、この伝統行事によって毎年一夜だけ家族や友人、見物客が村に集まることを地元住民は歓迎している。
関連URL: Spain’s Wildest Tradition? Horses Brave Fire in Las Luminarias








