アメリカのカンザス動物園で暮らすメスのクロサイ「ビビ」が可愛い男の子の赤ちゃんを出産した。
驚いたことに、動物園の飼育チームはビビが妊娠していたことを知らず、出産の1ヶ月前の定期検診で妊娠しているかもしれないと気づいたそうだ。

現在オスのサイがいない動物園で、ビビは一体どうやって妊娠をしたのか？その答えを紐解くためには、2年前まで過去を遡る必要がある。なぜならサイは人間よりも妊娠期間が長く、胎児を16ヶ月もの間お腹で育てるのだ。たとえば8月に受精したとしたら、その後2度もクリスマスを経験してやっと赤ちゃんが産まれる。

2019年に動物園の計らいでビビはオスのサイと何度かデートを重ねたものの、妊娠には至らなかった。
その後、2020年9月に唯一残っていたオスのサイが死んでしまった。おそらく他界する直前にそのサイとビビは関係を持ち、妊娠したと思われる。そして16ヶ月もの長い間、ビビは誰にも知られずお腹に赤ちゃんを身篭っていたのだ。

園のスタッフが気づかないほどビビは普段通りに過ごしており、出産の2、3週間前になってやっと体の変化を表に出し始めたそうだ。
直前ではあるものの、園のスタッフが妊娠を確認できたおかげで出産は無事に済み、母子ともに健康に過ごしている。
しばらく母子は個室で暮らすが、赤ちゃんがある程度育ったら一般客にお披露目する予定だ。天国のお父さんサイもきっと喜んでいるだろう。

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