サウスカロライナ州に住む2歳のメス猫サージは、見た目は普通の猫だが小脳形成不全という病気で歩くことができない。手足のバランスや体の平衡感覚をつかさどる器官である小脳が発達しなかったため、脳からの指令が筋肉の動きに結びつかない。
猫のなかでも重度のケースで、痛みは感じないが手足を思うように動かせないので横向きで寝ているか、どこかに行きたいときは立ち上がってはドスンと倒れるというのを繰り返すほかない。
サージの飼い主であるミシェルさんは、サージは歩けないけれどとても社交的で人と触れ合うことが大好きだと言う。ミシェルさんはサージが新しい人と出会ったり、外の世界を見たりできるように、サージを背負って一緒に散歩ができるリュックサックを購入した。リュックの外側は透明なプラスチックで空気穴があり、中に入っているサージが外の景色や音を楽しめるようになっている。
2人が散歩をしていると必ず見かけた人たちが声をかけてくれ、サージも嬉しそうだ。サージはリュックの中でじっと座っているだけでなく、外に気になるものがあるとゴソゴソと動いて積極的に散歩を楽しんでいる。
これまで2人は地元のマーケットやレストラン、ビーチなどを訪れたが、シェム川沿いのレストランで船のドックに座って一緒にランチを食べるのがサージの一番のお気に入り。ミシェルさんに抱かれてとても幸せそうな顔をしている。
ミシェルさんは猫を保護する非営利団体を運営しており、現在保護している353匹の猫のうちの多くはサージのように特別なケアを必要とする。
障害のある猫を飼うのは大変かもしれないが、視点を変えれば障害はギフトでもあるとミシェルさんは教えてくれる。こんな風にリュックにいれて一緒に散歩をしたら猫だけでなく飼い主の人生も豊かになるだろう。
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