動物のなかでもっとも酒豪なのは何?と聞かれて、大体の人の予想はゾウなどの大きな動物だろう。しかしゾウはアルコール代謝ができる遺伝子が不足しておりお酒を飲むことはできない。人間は祖先が発酵した果実を好んで食していたおかげで非常に高いアルコール代謝能力を持っている。
しかしその人間をすら上回る強者がハムスターだ。その小さくて可愛らしい姿から想像できないが、研究によるとハムスターは1日に体重1キロあたり18グラムのアルコールを消費できる。人間が1.5リットルの高濃度ウォッカを飲むのと同じである。
ハムスターは野生ではライグラスの種や実を巣に貯める習慣があり、それらの種や実は冬の間に発酵してアルコール濃度が高まる。実験でもウォッカをゴクゴクと飲んだようで、ペットのハムスターに水とウォッカを与えたらウォッカの方を好んで飲むかもしれない。
さらにハムスターのすごいのは、たくさんアルコールを摂取しても酔っ払わないところだ。彼らは並外れた強さの肝臓を持っており、腸から肝臓に行くまでにエタノールはほぼすべて分解されてしまう。
ハムスターが水よりもアルコールを好むのは、アルコールには7種類の熱量(カロリー)があり、厳しい寒さを乗り越えるために熱量豊富なアルコールを体が求めるからだと考えられる。
別の実験では同じカロリーのフルーツジュースと甘くないアルコールを与えたが、ハムスターはアルコールを好んで飲んだようだ。甘いものより辛口のウォッカが好きなんて、まるで渋いおじさんのようだ。
長引くコロナ禍で誰かとお酒を飲みに行くことも難しい日々。ハムスターを飼って一緒に晩酌を楽しむというアイデアも悪くないかもしれない。
関連URL: You Have No Idea How Hard It Is to Get a Hamster Drunk