今年1月5日、ローマ法王は演説で「子どもの代わりにペットを飼っている人はわがままである。それは父親、母親になることの否定であり、我々の人口を減らし、人間性を失わせる」と発言した。
この法王の見解は正月早々世界中で大きな物議を醸し、とくにペットを飼っている人々からの反対意見が相次いでいる。
人道教育の専門家であるウェイルさんの異論を聞いていると、いかに法王の意見が視野の狭いものかが分かる。
ウェイルさんは、法王自身もみずから子供を持たないという選択肢をとっていると指摘する。法王は特別かもしれないが、一般市民は子を産むべきだと主張するのはどうだろうか。
また、「法王はかつて環境汚染や気候変動への世界的なアクションを取るべきだと人々に求めていた。その重要性を真に受け止めているからこそ、多くの人は子供をあえて作らないのです。人口が増えれば資源はますます枯渇し、炭素排出量も増えるでしょう」と、人口増加が地球環境に与える悪影響を懸念している。
さらに、「ペットを飼っている人は決してわがままではない。多くは施設で保護されている動物の里親として動物を飼っています。さっ処分になる運命だった動物たちの命を救い、亡くなるまで愛情を持って世話をする行為は慈愛に満ちあふれ、人間性を失わせるどころかさらに豊かにしてくれる」とウェイルさんは述べている。
宗教は多くの信者があってこそ成り立つもの。人口減少への懸念は信仰の弱まりへの危機感と重なる部分があるのかもしれない。今回の法王の発言は逆効果で、むしろ人々を法王から遠ざけてしまったようだ。動物愛好家から支持される法王となれるよう、次の演説での挽回が望まれる。
ワールドペットニュース
「子を持たずに動物を飼うのはわがまま」法王の発言が炎上
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