象の群れが1匹の仔象を取り囲んで落ち着かない様子でうろうろしている。なぜならその仔象の背中が水の溜まっている溝にすっぽりはまってしまい、仰向けで寝転んだ状態のまま起き上がれないのだ。

その様子に気づいたライオンが走り寄ってきて仔象を狙っている。このままでは仔象の命が危ないが、母象はどうしていいかわからない。取り乱す母象に群れの仲間は仔象から離れるよう促し、ついには母象を追い払ってしまった。
群れの仲間はその後もどうにか仔象を引っ張り出そうと力を尽くし、ほかの仲間たちはライオンが仔象に近寄らないように壁を作って警戒している。
それでも仔象は溝にはまったまま取り出せず、もう諦めるしかないという雰囲気になったとき、群れから追い出された母象が戻ってきた。彼女は鼻の先端を仔象の前足に絡ませて頭を引き上げ、さらに鼻で背中を押してなんとか仔象の上体を起こすことができた。まだお尻がはまった状態だったが、あきらめず前足と鼻を使って体を押し続けると、仔象も必死で手足を動かして這い出ようとする。そうしてついに仔象の救出に成功した。仔象は怪我もなく、安心した様子で母親についてその場を去っていった。

決して我が子を見捨てない母親の愛と執念、そして仲間とのチームワークで助かった仔象の命。この一部始終を捉えた動画は多くの人の感動を呼んでいる。厳しい自然界では助からない命も多いが、動物たちの愛と絆で救われる命のドラマを見ると胸が熱くなるものだ。

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