ケンタッキー州に住むカーソンさんが夜にドライブをしていると、道の脇から大きな羽を広げた何かが飛んできた。様子が変だったので車を停めて見てみると、地面にフクロウが横たわっている。つぶらな瞳で男性を見つめたまま動こうとしない。
男性は「大丈夫だよ」と声をかけながら古いTシャツでフクロウを包み込み、慎重に腕に抱き抱えながら自宅へ連れていった。
フクロウは出血してなかったが、飛べないのでどこかに異常があるようだ。近くの野生動物保護施設を調べてみたが、日曜の夜なのでどこも電話はつながらない。
カーソンさんはとりあえずひと晩自宅で保護することにし、フクロウをロジャーと名付けた。ブランケットにくるんで段ボール箱に入れて無事を祈った。
翌朝6時半、ロジャーの入っている部屋を覗くと、ロジャーは箱から飛び出して洗面台のなかに立っていた。元気な様子にホッとしたカーソンさんは、ロジャーを連れて野生動物のリハビリセンターへと車を走らせた。ロジャーを施設に引き渡して帰路に着くカーソンさんは、安堵感と寂しさが混じって複雑な気持ちだった。
ロジャーは羽をぶつけたようであざがあったが、幸い骨は折れていなかった。施設職員は羽を洗浄し、感染症を引き起こしている可能性があるので抗生物質を与えて安静にさせた。ロジャーは驚くほど穏やかで、人間にまったく抵抗することなく治療と飛行のリハビリに励んだ。そして保護から5日目には翼を大きく広げて自力飛行できるまで回復したのだ。
15日のリハビリを経て、ロジャーはついに野生に戻ることになった。駆けつけたカーソンさんをロジャーは覚えていたようでじっと彼の目を見つめる。そしてロジャーは皆に見守られながら大空へと飛び立っていった。
ワールドペットニュース
ケガをしたフクロウが治療を経て再び大空へ
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