ウィスコンシン州グリーンベイ市の住宅街の道端で、1匹の犬が直立型の消火栓にひもで繋がれたまま放置されているのが見つかった。
それはベイビーガールという名前の6歳の犬で、犬の隣に置いてあったリュックサックにはベイビーガールの好きなおもちゃや餌、飼い主が書き残したメモが入っていた。メモには「この犬をこれ以上飼い続けることはできません。私はホームレスで現在抗がん剤治療を受けています」と書かれていた。
この写真はニュースに取り上げられ全米で話題となり、飼い主のした行為への抗議の声も少なくなかった。
その後飼い主は匿名でニュース番組のインタビューに答え、犬を手放した経緯を説明した。
「ベイビーガールを消火栓に繋いで立ち去るのは私の人生において最も最低で辛いことでした。でもきっと彼女は大丈夫だとわかっていました。誰かが引き取ってくれて安全な暮らしができると…」
飼い主は路上で暮らすホームレスで抗がん剤治療を受けながら犬を飼うことは不可能だと判断し、7ヶ所の動物保護施設に電話をして引き取ってもらえないか交渉した。それでもダメだったので道路に置き、1ブロック離れた場所で犬が引き取られるのを見届けていたと述べている。
しかし動物保護施設側は飼い主とのそうした会話は記録されていないと言っており、飼い主の発言がどこまで本当なのか不明だ。施設ではどうしても飼い続けられない場合は飼い主と話し合いをしてペットの引き取りをしているし、ホームレスで病気という事情であれば譲渡できたはずだと説明している。飼い主の言葉の真偽はわからないが、どんな理由であれペットを捨てる行為は許されるものではない。
しかし、この件がニュースになったおかげでベイビーガールの里親になりたいという声が殺到しており、施設には100件以上の応募が届いたそうだ。路上で置き去りにされて悲しそうにしていたベイビーガールが新しい飼い主の家で安心して暮らせる日がまもなく訪れる。
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