アメリカオハイオ動物園のトラがコロナ感染による肺炎で死亡したという悲しいニュースが届いた。コロナが原因で死亡した動物園の動物としてはこれが初めてのケースである。
亡くなったのはジュピターという名前の14歳のアムールタイガーで、高齢なのもあり慢性的な持病を抱えていた。
ジュピターは6月22日に異変が見受けられ、食欲がなく動きたがらず、飼育員と関わろうともしなくなった。コロナに感染していると判明し懸命な治療を行ったが、その翌日の夜に息を引き取った。
オハイオ動物園はネコ科や猿、カワウソなどの感染リスクの高い動物に近づく際は飼育員にマスク着用を義務付けていたが、それでも感染は防げなかった。
ジュピターは2007年にモスクワ動物園で生まれ、2015年にオハイオにやってきた。9頭の子の父親で、うち6頭はオハイオで生まれた。絶滅危惧種であるアムールタイガーとして多くの子孫を後世に残してくれた。
「ジュピターは大きくて見た人に強い印象を与えるトラでした。魚を食べること、洞穴のなかで寝ること、段ボール箱で遊ぶのが好きでした。さらにお気に入りだったのは飼育員でさえも容易に運べない34kgもある消防署の看板で、それを軽々と抱えて歩き回っていました。ジュピターがいなくなって多くの人が寂しく感じるでしょう」と動物園はコメントし、ジュピターとの思い出をシェアしてくださいと人々に声をかけた。
園のサイトのコメント欄には「彼は本当に美しいトラだったわ。はじめて家族で見に行ったとき、吠えた声が物凄く大きくてびっくりしたわ」
「園で一番好きな動物だったから胸が張り裂けそう。7年間楽しませてもらってハンサムな彼の写真をたくさん撮りました。どれもすばらしい思い出です」といったファンの追悼文が続々と投稿されている。彼らの温かい声はきっと天国のジュピターにも届いているはずだ。
関連URL: Tiger at Columbus Zoo dies after developing pneumonia caused by COVID-19