あらゆる生活雑貨を扱うアメリカの大手ブランド「Better Homes& Gardens」がウォルマートとコラボして商品化したアロマセラピースプレーが重大なリコール問題になっている。

対象となったのは同ブランドが開発したラベンダー＆カモミールの香りのするアロマルームスプレーで、インドで製造されたあとアメリカに輸出され、2021年に全米55店舗のウォルマートで試験的に販売された。
しかしそのスプレーにはメリオイドーシスという細菌が混入していたことが、アメリカCDC（疫病対策予防センター）の調査で明らかになった。メリオイドーシスに感染すると咳や熱といった症状を発症するが、早めに診断を受けて特定の抗生物質を飲めば大事には至らない。
しかし症状が風邪やインフルエンザに似ているのでメリオイドーシス感染に気づくことが難しく、重症化したジョージア州の5歳の男の子とカンザス州の53歳の女性が悲しくも亡くなってしまった。

この事態を受けてウォルマートは対象商品3900本を自発的にリコールし、すでに購入した2000人以上の顧客に向けて商品回収を呼びかけている。

CDCによると、テキサスでペットとして飼われていたアライグマがこのアロマスプレーによって死亡したことが最近になって明らかになった。そのアライグマはいたずらでスプレーボトルを壊した際になかの液体が体に付着したようだ。その2週間後にはげしい神経性の症状が出て3日後に死んでしまった。庭に埋められたアライグマの体から12のサンプルを採取して調べたところ、メリオイドーシスに感染していたことがわかった。

南アジアの不衛生な水に含まれることが多いというメリオイドーシス細菌。アメリカで感染というケースは非常にめずらしいが、さまざまな物や人が国境を越えて出入りしているこの世界では驚くことではない。海外に行ったり、外国製のものを食べたり扱ったあとに風邪症状が続く場合は、ためらわずに医師に相談した方がいいだろう。

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