ペットとの最期のときをどう過ごすかというのは精神的に重いが、きちんと向き合って後悔のないように見送りたいと多くの飼い主が思うだろう。
つらい治療をやめて、自宅で静かにともに過ごすケースが一般的だが、なかには多くの人を巻き込んで楽しい思い出を作りたいと考える人もいる。
アメリカ人の写真家であるナヤナさんは、たまたまフェイスブックで、ある犬の飼い主が投稿した愛犬の最期の日を祝うイベントの招待状を目にし、見逃すわけにはいかないと思い足を運んだ。
その投稿は飼い主が住むフィラデルフィアの地域の人々に向けて発信されており、14歳の愛犬ルーの最期の日に会いに来てほしいという内容だった。飼い主はルーにできるだけたくさんの愛情を注いで見送りをしたかったのだ。
ナヤナさんはそのイベントの様子を動画でTikTokに公開した。何十人もの見知らぬ人たちがルーと飼い主を応援しに訪れ、優しく撫でるだけでなく、たくさんのおやつをプレゼントしていた。
ルーは犬用のベッドの上で毛布にくるまって人々と交流していた。寒く、体も辛いだろうが、人が来るたびに喜んで立ちあがろうとする姿に胸が熱くなる。
「私はルーにとっては見知らぬ人でしたが、ルーはとてもフレンドリーでいい子でした。コミュニティが彼女のために集まってくれたことがとても嬉しかった」と語るナヤナさん。
彼女はルーとルーの飼い主のために、カメラを持ってその様子を撮影し、写真を無料で差し上げた。その写真にはルーのはち切れんばかりのまぶしい笑顔が写っていた。
ナヤナさんは、プロに写真を撮ってもらうことはペットが亡くなった後の飼い主の悲しみを癒すことにもなると考える。
「ペットのことを心配するあまり、写真について考えていない人が多いのですが、写真を撮ったことを後悔している人には会ったことがありません」
彼女はボランティアとして無報酬の撮影セッションを提供し、クライアントには地域の高齢ペットの救済団体「City of Elderly Love」への寄付を勧めている。昨年は彼女のセッションのおかげで1,000ドル以上の寄付金が集まったそうだ。
ルーの思い出は、素敵な写真とともにいまも飼い主や地域の人々の心に刻まれている。偶然の出会いが生んだ思いやりの輪が、これからも地域に広がっていくことを期待したい。
関連URL: Owner Asks Community To Celebrate 14-Year-Old Dog's Final Day—They Answer