
アメリカミシガン州のランドラピッズで、女性獣医師がホームレスの男性が飼っていた犬を盗んだとして有罪判決を受けた。
起訴されたハーゲンレダー医師はフランケンムース近郊で動物病院を経営しているが、窃盗事件が発生した昨年11月は会議出席のためグランドラピッズに滞在していた。
彼女は滞在先近くのカフェ「ビッグビー・コーヒー」に立ち寄った際、カフェの隣に停まっていたトラックにピットビル犬がつなぎ止められているのに気づいた。
医師は「ピットブルはひとりぼっちで、病気で、世話をされていないように見えた。痩せ細り、歩くこともできず、食べ物も水も住処もなかった」と証言した。
ヴィニーという名前のその犬は、ホームレス男性のクリス・ハミルトンさんの飼い犬であった。当時彼はトラックから1 マイルも離れていないガソリンスタンドで用事を済ませ、戻ってきたら愛犬がいなくなっているのに気づいた。
ハーゲンレダー獣医師は、ヴィニーに飼い主がいることを知らずに保護したと言ったが、ケント郡検察側は、飼い主がいることを知っていたと主張している。ハーゲンレダー獣医師に同行していた2人の獣医技術者に、カフェのスタッフが「この犬はホームレスの男性のもので、すぐに飼い主が迎えに来る」と伝えていたためだ。
ハーゲンレダー獣医師はグランドラピッズ警察にヴィニーの保護についての指導を求めて一度電話をしていた。しかし、その数週間後に検察官が犬を飼い主に返すよう要求する電話をした際、獣医師は最終的にその要求を拒否した。
獣医師は、この犬の名前をビッグビーに変更し、約 3,000 ドル相当の医療を提供し、そのピットブルを自分の家に引き取った。
獣医師は、「ビッグビーは緊急の医療処置が必要であり、処置のおかげで元気に回復した」と述べた。その後、犬は8ヶ月間、獣医師のもとで暮らしたが、16歳という高齢と病気が原因で亡くなった。
ハーゲンレダー獣医師は、軽犯罪の窃盗罪で有罪判決を受けた場合、最高93日の懲役または500ドルの罰金が科せられる可能性がある。
動物治療のプロとして、目の前にいた犬を救いたかったのかもしれないが、飼い主の同意なしに保護や治療を行ったのは社会的に許されないだろう。
もともとの飼い主だったホームレス男性は、再会が叶わないまま愛犬を失ってしまった。犬自身にとってもそれは幸せな最期だったとは言い難い。
関連URL: Veterinarian found guilty of stealing dog of GR man who’s homeless