1. ペット大好き!
  2. ワールドペットニュース
  3. イギリスでペットのノミ薬が河川を汚染?

ワールドペットニュース

イギリスでペットのノミ薬が河川を汚染?

海外

犬や猫のノミやマダニ対策として、毎月のように使われている「スポットオンタイプ」の駆除薬。その身近な薬が、思わぬ環境問題を引き起こしている可能性があるとして、イギリスで議論を呼んでいる。

英国上院の環境委員会は、スーパーマーケットやオンラインなどで自由に購入できる一部のノミ・マダニ駆除薬について、一般販売を制限し、獣医師や薬剤師などの有資格者を通じて販売するよう政府に勧告した。

問題となっているのは、薬にふくまれる化学物質だ。スポットオン製剤に広く使われているフィプロニルやイミダクロプリドが、イギリスの小川や河川から高濃度で検出されているという。これらの物質は水生生物に悪影響を与え、さらに食物連鎖を通じて野生動物にも影響を及ぼす可能性がある。
しかも、これらの成分は、ミツバチなどへの影響を理由に、農業用農薬としてはすでに使用が禁止されている。

では、なぜペットには毎月のように使われているのだろうか。
委員会の公聴会では、すべての犬や猫に一律で毎月投薬することを支持する十分な科学的根拠はないとの指摘が出た。
実際、多くの獣医師は自分のペットに毎月薬を使うのではなく、ノミ取りコームなどで定期的にチェックし、ノミが見つかった場合にだけ治療しているという。
委員会のシャス・シーハン氏は、必要性を十分に確認せず薬を使い続けることについて、「ナッツを割るのに大きなハンマーを使うようなもの」と表現した。

一方で、ペット用医薬品業界は、この提案に慎重な姿勢を示している。
英国の動物保健業界団体NOAHは、寄生虫駆除薬はペットの病気を防ぎ、人への感染リスクを減らすうえで重要だと主張。「すべての製品は販売前に厳格な科学的評価を受け、安全性と有効性も継続的に監視されている」と説明している。

つまり、「薬を使わないほうがいい」という単純な話ではない。
大切なのは、すべてのペットに機械的に薬を使うのではなく、その動物に本当に必要なのかを見極めること。そして、使用した薬が環境に与える影響についても考えることだ。

英国政府も現在、ノミ・マダニ駆除薬が河川などの環境に与える影響について調査を進めている。
ペットを守るための薬が、川や野生動物を苦しめることになっては本末転倒だ。愛犬や愛猫の健康と自然環境、その両方を守るために、どのように薬と付き合っていくべきなのかが問われている。

関連URL: Restrict sale of pet flea treatments, government urged