ニューヨークのニャックに「The Summit School at Nyack」という小さな私立学校があり、感情や行動をコントロールすることが困難な中高生の学習支援を行っている。
その学校がニュースを通して全米に知られるきっかけとなったのが、学校が飼育している子ブタのエレノアである。ブタというと土に寝そべって過ごしているイメージが強いが、生後7ヶ月のエレノアはとにかくアクティブで、大好きな遊びは山登り。
学校は4年前から生徒たちを近隣の山へハイキングに連れていくプログラムを始めた。学校で動物の飼育係をしているシカリさんはその翌年に自分の犬を同行させ、2年後にはヤギ2頭を加え、今では子ブタのエレノアも連れて一緒にハイキングを楽しんでいる。
「動物を連れて歩いていると、郵便配達の人やごみ収集員が笑顔で手をふってくれて、車に乗っている人もわざわざ停車して話しかけてくれるの。嬉しいんだけど、私たちに気がとられて事故に合わないか心配になるわ」と笑うシカリさん。
「とくにエレノアがハイキングに同行することを生徒たちはとても喜んだの。ブタとハイキングに行きたくない人なんていないでしょ?エレノアはこの学校の女王みたいな存在で、みんなから愛されてるの」と話す。
エレノアは犬のように座っておやつをねだり、寝転がってお腹をさすってもらうのが好きだ。シカリさんは以前散歩ひもをつけて街へ散歩に出かけたが、エレノアは歩行者用の舗装された道を歩くのは気が進まない様子だった。
試しに学校のハイキングに連れて行ったところ、エレノアは山道を大層気に入り、ピョンピョンと楽しそうに丸太を飛び越えて頂上まで登ってしまった。いまでは山登りが楽しくてたまらないようで、下り道は猛スピードで転がるように駆け降り、見ている人は笑わずにはいられない。
そんなエレノアに生徒たちが癒されているのはいうまでもなく、ハイキングで出会った人もひと目で心を奪われてしまう。近頃はハイキングだけでなく、地域の高齢者施設に呼ばれるほどの人気ぶり。施設のおばあさんたちは誰が一番にエレノアを撫でて、かばんに忍ばせたドーナツをあげられるかを競っているそうだ。
関連URL: This Little Piggy Goes Hiking! School Pig Adores Enjoying Nature with Students and Goats