アメリカロードアイランド州にある「ロジャー・ウィリアムズパーク動物園」で、絶滅危惧種に指定されているアメリカオオカミの赤ちゃんが誕生した。
アメリカオオカミは北米に生息し、毛が少し赤みがかっているので英語で「レッドウォルフ」と呼ばれる。現在野生で生息しているのはわずか23頭と言われており、世界的に最も希少で絶滅の危機に瀕した種である。
それだけに動物園で暮らすアメリカオオカミのブレイブとディエゴの間に1頭の赤ちゃんが産まれたのは、種の生存において非常に大きな一歩だ。
5月5日に産まれたその赤ちゃんはまだ性別がわからず名前も付けられていないが、ふわふわの濃い茶色に覆われて母親に寄り添っている姿がとても可愛らしい。
野生のアメリカオオカミの頭数は非常に少ないが、アメリカは1984年より国をあげてオオカミの保護と繁殖に力を入れてきた。認可された動物園での繁殖プロジェクトの甲斐あって、現在約240頭のオオカミが人間の保護のもとで生息している。
もともと人間による開発によって生息地を失い、さらに交通事故や狩猟などが原因で絶滅危機に追いやられたアメリカオオカミ。頭数を大幅に増やすことはできないが、自力で野生で生き残れるようにするのがプロジェクトの目指すところだ。
2019年から2021年において野生のオオカミの子どもが産まれたのは確認されていないようで、野生の環境下でどのようにオオカミを増やすか、あるいは動物園で産まれたオオカミを野生で暮らせるようにできるかが今後の大きな課題だろう。
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