フォトジャーナリストのクリスチャン・ジーグラー氏がコンゴの森で撮影した1枚のチンパンジーの写真に世界から注目が集まっている。
世界的に権威のある野生動物の写真コンテストにおける作品候補になるだろうと言われているその写真。被写体となったチンパンジーは腕にマングースの赤ちゃんを抱えている。ペットとしてかわいがっているのか、それともそのマングースの母親を殺したあとに残った子どもの命も奪おうとしている瞬間なのか。謎めいた行動ではあるが、写真を撮ったジーグラー氏は前者であると信じている。
ジーグラー氏は数日間にわたって森を歩き、チンパンジーの群れを観察していたが、そこで1匹の若いオスのチンパンジーが幼いマングースを手に抱えていた。獲物として捕らえたかと思ったが、そのチンパンジーは1時間以上もの間マングースを大事そうに扱っていたのだ。
チンパンジーの専門家であるバーバラ・フルス氏によると、チンパンジーは獲物をすぐに殺さず、生かしたままにすることがあるようだ。お腹が空いていないときなどはペットのように扱いあとで食べる。
チンパンジーは優しさや共感性、穏やかさをもつ生き物だが、同じチンパンジー同士はともかく、ほかの種の動物に愛着を持って長い期間ペットとして可愛がるというのは考えにくい。
ひょっとしたら群れのなかのほかのチンパンジーの気を引いて自分の地位を高めるために、アクセサリーのような感覚で小動物を持ち歩いていたのかもしれないとフルス氏は説明する。
しかし、最終的にそのチンパンジーに抱えられていたマングースは幸せな結末を迎えていた。ペットとしてずっと一緒にいたわけではないが、生きたまま何のケガもなくチンパンジーに解放してもらったようだ。
その結末によって謎はさらに深まったが、あなたはどう解釈するだろうか?チンパンジーもそれぞれ性格が違うのだから、獲物にさえも優しく慈悲深い行動をするチンパンジーが1匹くらいいてもおかしくないのかもしれない。
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